介護の現場でよくあるヒヤリ・ハット

ヒヤッとしてハッとしたことはありませんか?

介護現場では事故にまでは至らなかったものの、事故に発展しかねない事柄が起こることがあります。
このような事例をヒヤリ・ハットといいます。
危ない!とヒヤリとして、ハッと気づくということからヒヤリ・ハットといいますが、このヒヤリ・ハット放置しておくと、そのうちに事故が起こる危険性があります。

介護施設では介護ミスをへらすためにヒヤリ・ハットが発生したら報告し、それをヒヤリ・ハット報告書に記録しています。

ヒヤリ・ハット報告書に記録された事例で最も多いのが、転倒・転落です。
たとえば、ベッドから車椅子への移乗のときに、体を支えて立ち上がらせようとしたら、足元が不安定で転倒しそうになったなどの事例が報告されており、転倒事例は報告全体の8割にも上るといわれています。

次に多いのが誤飲です。
食べ物が喉に詰まる、誤嚥して肺炎を引き起こすなどの事例が寄せられています。
他の人の薬を手渡しそうになったという事例もあり、薬の誤飲も十分に注意しなければいけません。

このほかにも思いがけないときに、思いがけない事例が起こることがあり、大切なお年寄りを預かっている介護施設では、介護ミスにつながるヒヤリ・ハットには十分に注意しなければいけません。

ヒヤリ・ハット事例が発生したら

ヒヤリ・ハットは現場で働いている限り、いつ起こってもおかしくありません。
介護業界に限らず医療現場や建設現場、食品関連施設、工場など、あらゆる職場でヒヤリ・ハット事例が報告されていますが、抵抗力が弱いお年寄りのケアをする介護現場では、少しのミスが大きな事故を引き起こすこともあり、特に注意が必要です。

では、ヒヤリ・ハットが発生した場合、どのように対処すればいいのでしょうか。
対処法のポイントは、次の4つです。

第1は、ヒヤリ・ハット事例が発生した環境や職場体制に問題がなかったを検討することです。
たとえば、ベッドから車椅子への移乗で転倒しそうになったとき、これから立ち上がりますからねなどとしっかりと声掛けをして、お年寄りに立ち上がるという心構えができているかを確認したか、抱え上げるときの体の姿勢、靴や服装などは適切であったかなどを考えます。

第2は、スタッフの状態の検証です。
体調不良、多忙で確認を行った、慣れによる気の緩みなどはなかったかを検討します。

第3は、利用者であるお年寄りの状態の確認です。
お年寄りの体の状態は、一人ひとり異なりますから、
体の状態に合わせた介助をしなければ危険です。
事例発生当日の身体状況をスタッフ間で共有できていたなどを確認します。

第4は、これらの検証結果を分析して対応策を考えることです。

ヒヤリ・ハットが発生したら、その結果をチームで共有し、今後の対処法を考えます。
そして考えた対処法をヒヤリ・ハット報告書などに記録して、実践できるようにする必要があります。

ヒヤリ・ハットの発生は自分の油断が原因ということもありますが、忙しすぎる、施設の環境が整っていないなど、自分だけでは改善できない要因が隠れていることもあります。
また、同じ過ちを繰り返さないために、スタッフ全員で事例を共有することが大切です。